吉澤 遼馬

2023年1月31日

物療とその他介入の比較

目次

  1. はじめに

  2. 筋スティッフネスに対しての比較

  3. 筋力強化に対しての比較

  4. おまけ

  5. 最後に

はじめに

実際に今、現場で使用している物療機器は理論通りに効果が出るのか、むしろもっと最適な介入方法があるのではないかと思い今回こんな実験をやってみました。

被験者の状態や体格、体調も様々なため正確な数値ではありません。

参考値程度と思って見ていただければと思います。


 

では、やっていきましょう!
 

筋スティッフネスに対しての比較

4名の被験者に対して、ハムストリングに各介入前後の股関節屈曲可動域の変化を確認した。

その場での即時効果、30分後の持続効果の2項目に対しての比較になります。


 

①超音波

伊藤超短波EU-910のハイボルトを使用しました。

【設定】
 
周波数:3Hz
 
Duty :100%
 
時 間:10min

腹臥位にてハムストリングに超音波を照射します。
 
ストレッチとの併用はあえてしておりません。

※被験者と上記写真は別人になります。

☝︎介入前

☝︎介入直後

☝︎介入30分後

介入後の変化、持続力ともに一番あった印象です。
 
手技などの他の介入と併用することでより効果を最大化できる印象です。

やっぱり柔軟性といったら”温熱”ですね!


 

②ハイボルテージ

伊藤超短波EU-910のハイボルトを使用しました。

【設定】
 
周波数 :5Hz
 
パルス幅:20μsec
 
通電時間:5min

腹臥位にてハムストリングにハイボルトを通電します。
 

※被験者と上記写真は別人になります。

☝︎介入前

☝︎介入直後

☝︎介入30分後

ハイボルトでの介入は直後の変化、その後の持続力もあまり変化がないように感じました。

柔軟性の獲得にはハイボルトは優先順位が低いのかなと思いますね。


 

③干渉波

ミナト医科学株式会社のポラリスカイネを使用しました。
 

【設定】
 
周波数 :1〜10Hz
 
通電時間:10min

腹臥位にてハムストリングに干渉波を通電します。
 

※被験者と上記写真は別人になります。

☝︎介入前

☝︎介入直後

☝︎介入30分後

同じ電療のハイボルトと比較すると、変化が出ました。
 
持続力はいまいちだが、他の介入と併用することで持続させることが可能だと思いました。


 

④ストレッチ

パーソナルでハムストリングのストレッチを行いました。

※被験者と上記写真は別人になります。

☝︎介入前

☝︎介入直後

☝︎介入30分後

直後の効果と持続力ともに高かった印象です。

やはり超音波+ストレッチが一番柔軟性の確保には適していると思いました。

ラジオ波とかでもやってみたいですね…。


 

筋力強化に対しての比較


 

3名の被験者に対して、僧帽筋上部線維に各介入前後の僧帽筋筋出力の変化を確認した。

その場での即時効果、30分後の持続効果の2項目に対しての比較になります。
 

①トレーニング

手を頭の上に重ねて上部を収縮させるトレーニングを行いました。
 

※被験者と上記写真は別人になります。

☝︎介入前

☝︎介入直後

☝︎介入30分後

トレーニング後の比較が一番変化もあり、かつ持続力もあった印象です。

個人的にはこのトレーニングと併用してNMESを使用することで、より強化をしやすくなるイメージがあります。


 

 

②ハイボルテージ

伊藤超短波EU-910のハイボルトを使用しました。

【設定】
 
周波数 :100Hz
 
パルス幅:50μsec
 
通電時間:1min

僧帽筋上部の短縮位のまま通電しました。

※被験者と上記写真は別人になります。

☝︎介入前

☝︎介入直後

☝︎介入30分後

比較すると、即時効果は出ていますが持続効果はあまりないようです。
 
臨床では即時効果を出すことで患者さんにその場での効果実感を得ていただくことがしやすいです。持続力がないことを伝え、継続的な筋力強化を図る必要性が伝えやすい印象です。

個人的には、検査的介入でこのやり方を使用することが多いです。
 
一時的に筋力が使用できるため、筋力の弱化によって症状がでている方は症状が変化します。その結果をもとに介入を組み立てるようなイメージです。


 


 

③干渉波

ミナト医科学株式会社のポラリスカイネを使用しました。
 

【設定】
 
周波数 :20Hz
 
オンオフ:1:1
 
通電時間:10min

※被験者と上記写真は別人になります。

☝︎介入前

☝︎介入直後

☝︎介入30分後

ハイボルトと比較すると持続時間は長い印象です。
 
被験者の感想を聞くと疲労感が強かったということなので、オンオフを調整した結果の比較もしてみてもよかったかもしれないですね。

個人的にはトレーニング後に補助として使用することが多いです。


 

おまけ
 

<深大殿症候群へのコンビネーション>

【設定】
 
ハイボルト
 
周波数 :150Hz
 
パルス幅:10μsec
 
超音波
 
周波数 :3MHz
 
Duty比 :100%(音波痛が出る場合は50%)
 
時 間 :3〜5分

パッド(ハイボルト)を梨状筋と神経症状末端部に貼ります。
 

通電した状態で、超音波で閉鎖筋を狙って照射します。

その後、状態を確認して見てください。

楽になりました!!!!!笑
 

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

柔軟性は温熱+ストレッチ、筋力強化は即時効果と持続力のどちらも合わせるものはトレーニングをすることが一番かと思います。

温熱療法に関しては、他の物療機器も使用して比較してみたいですね。

筋力強化に関してはトレーニングとともに、他の物療機器を併用することでより効果を出すことができるのかなと思います。

読んでいただいてる方々も色々と比較してみると面白いと思います。

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