吉澤 遼馬
1月31日
目次
このタイトルは何?
そもそも、コンビネーション治療って何?
コンビネーション治療器の色々
伊藤超短波
酒井医療
日本メディックス
ミナト医科学
OG技研
インターリハ
東京医研
テクノリンク
コンビネーション治療って良いよね
良い点ばかり目立ってしまうコンビネーション治療
害悪って言うほど、悪いことがあるの?
この記事を読むべき人は?
メリットとデメリットを考えてみよう
メリット
デメリット
メリット① 即効性
メリット② 時短
メリット③ 満足感
メリット④ 1台2役
メリット⑤ 再現性
メリット⑥ 自費施術
メリットのまとめ
メリットしか無いじゃないか
デメリット① 依存
依存系の施術者のパターン
デメリット② 管理不足
デメリット③ メニュー化
デメリット④ 思考停止
デメリット⑤ 1度に複数人に対応できない
デメリット⑥ リスク管理が困難
患者さんの不利益
でも優秀なの。コンビネーション治療器。
【おまけコンテンツ】
【おまけコンテンツ①】
【おまけコンテンツ②】
【おまけコンテンツ③】
このタイトルは何?
このタイトルから、みなさんが想像するのは…
✔え!?コンビネーション治療ってダメなの!?
✔コンビネーション治療ってそもそも何だよ!?
✔メーカーでコンビネーションを売りにしているのに!?
✔害悪って何?!悪くなっちゃうの!?何!?
✔コンビネーション治療で効果出るんだから害悪なんてないだろ!?
と、様々内見があると思います。
結論から言います。
コンビネーション治療は最高です♫
はぁ…!?タイトルと全然違うやん!
と、言わないでください。
ただ、先程の結論にもう少し加えていくと…
コンビネーション治療は最高です。でも、使う人が最低です。
となります。
…んん???どういう事?
僕なりの見解ですが、コンビネーション治療器はメーカーの努力もあり、様々な機種が登場しています。また、単体の機器を組み合わせることで、コンビネーション治療を実現する機器も多くなってきました。
複数台、治療器を持っていて、それを組み合わせて同時に別なエネルギーを一緒に使ってしまおう。というなんとも強引かつ合理的なスタイル。
嫌いではありません。むしろ、大好きです。
ただ、よく考えてみてください。
なんでコンビネーション治療が必要なのか?を。
はい。すみません。まずはここから説明しなければなりませんね。
近年、治療器は複数のエネルギーを組み合わせて同時に出力(照射)することで、様々な効果を同時に出してしまおうという発想の治療器が増えてきています。
例えば
超音波+電流療法
あるいは
ラジオ波+電流療法
などですね。
様々なエネルギーを組み合わせることで、短時間で体に変化を起こすことが可能になり、疼痛緩和や可動域改善などが短時間で行えるようになります。
この点が、コンビネーション治療器を使用する最大のメリットかと思います。
現在では様々なコンビネーション治療器が登場しています。一部にはなりますがざっくりとご紹介していきましょう。
伊藤超短波さんは、コンビネーション治療を主体に作られた製品と、超音波治療器でもあとから別の機器にジョイントしてコンビネーション治療を可能にする2タイプがあります。
コンビネーション刺激装置 EU-910
シーケンシャルプログラムで連続治療が可能シーケンシャルプログラムで連続治療が可能。 Hi-VoltageモードからスタートしMCRモードに切り替わる、5種類の連続治療プログラムを搭載。もちろんプログラムは、治療のプランに合わせ自由に設定の変更が可能。設定の手間を省き、効率的な治療が行えます。http://www.medical.itolator.co.jp/product/eu-910/
イトー ESTIMUS
8種類の電気刺激モードを搭載。幅広い治療を実現します。
IF-4 [4極干渉電流刺激療法]
中周波を用いた干渉電流が、深部に広い範囲で作用します。
IF-2 [2極干渉電流刺激療法]
中周波を用いた干渉電流が、局所に深く作用します。
EMS [筋電気刺激療法]
筋収縮を引き起こし、筋力を強化します。
Russian [ロシアン筋刺激]
筋肉刺激に適した刺激電流で、ピンポイントで作用します。
Hi-Voltage [高電圧電気刺激療法]
高電圧の刺激を加えることで、深部までアプローチします。
TENS [経皮的電気刺激療法]
主に知覚神経に対して電気刺激を与え、疼痛を抑制します。
Microcurrent[マイクロカレント療法]
傷ついた組織の修復を早め、損傷部の治癒を促進します。
DC [直流電気刺激療法]
直流電流によって疼痛の軽減や損傷の治癒を促進します。http://www.medical.itolator.co.jp/product/estimus/
その他にも、イトー US-777やイトー UST-770はES-5000やES-4000と組み合わせることで、コンビネーション治療が可能になります。
そして、満を持して(?)発売されたこれ!はなんと吸引とのコンビネーションが可能に!?
イトー ES-8000
酒井医療さんでは単独で使用する機器を組み合わせる形でコンビネーション治療が可能です。また、ラジオ波もラインナップしており、電流療法と同時にラジオ波を出力することも可能です。
フィジオアクティブHVhttps://www.sakaimed.co.jp/rehabilitation/physio-therapy/electric_current/physioactivehv/
それぞれが独立して使用でき、使いたいときにだけコンビネーション治療ができる。これは機動性にも優れ、便利です。
こちらも2種類の機器を組み合わせてコンビネーションを行うタイプです。ただし、面白いのが「ウルトラソン」は超音波+超音波のコンビネーションができるんです(これをコンビネーションと言うかはよくわかりません)
そもそも、超音波×超音波だって、コンビネーションですよね?w
そういう発想は今までありませんでしたから、これは非常に画期的です。
ミナトさんも2機種を接続した形のコンビネーション治療が可能。
ソニックタイザー[SZ-100]https://www.minato-med.co.jp/medical/products/physical/sz100.php
意外と知られていないかもしれませんが、ミナトさんでもコンビネーションできるんですね。僕も知らなかった…。(失礼)
こちらOG技研さんは1台で超音波と電気刺激のコンビネーション治療が可能な機種をラインナップ。
フィジシステム CT-7 https://www.og-wellness.jp/product/medical/ct7
知る人ぞ知る(失礼)インターリハ。こちらのメーカーでもコンビネーション治療器をラインナップ
Intelect NEOhttps://www.irc-web.co.jp/intelectneo
知る人ぞ知ると言ったら、失礼ですが…
こちらもあるんですよ!コンビネーション治療器は!!!
ダイナトロン709ソラリス プラスhttps://www.tokyoiken.co.jp/product/?id=1579051990-564249
テクノリンクさんはまた変わった形でコンビネーション治療器があります…詳細はURLより…
アストロン DS-602/602Hhttps://techno-link.co.jp/product/ds602/
まだまだあると思います。
記載していないものがあったら、お気軽にご連絡下さい!
様々なメーカーから出されているコンビネーション治療器。
いいですよねw 欲しくなりますよねw
僕も欲しいんです。どなたかプレゼントして下さい。(ここは本気で)
1度に2つのエネルギーを使うことができますから、効率よくエネルギーを体内に届けることができ、様々な効果を短時間で得ることが可能になります。
従来は、単独で行っていた施術を、同時に行うことができるため、非常に効率的です。
施術方法は院によってスタイルが異なりますので、一概には言えませんが、短時間で施術が行えるようになるというのは、非常にメリットだと思います。
しかしながら、一度考えなければならないのは、
「それって、コンビネーション治療にする必要ある?」
ということです。
本来であれば、超音波治療だけで足りるのに、わざわざ電流療法も無意識に行っているパターンは非常に多いのではないでしょうか?
✓短時間で効果が出る
✓患者さんの満足度が上がる
✓自費メニューが取りやすい
など、様々な理由でコンビネーション治療を行っている院があると思いますが…
本当にコンビネーション治療って必要でしょうか?
それは、本当に患者さんが求めていることなのでしょうか?
実際に、必要がないことを行う必要はありません。
しかし、コンビネーション治療を行う際に
「害があるわけじゃないから、どうせだったらやっておけ。」
的な思考で何気なく使用している。そんな方が多いような気がしてなりません。
また、メーカー側も不用意にコンビネーションの方が効果が高いから、そちらで!という形で機器の販売を勧めることもあるでしょう。
結論から言うと、あったほうが良いんですw
でも、無くてもどうにかなりますし、無いほうが考える力もつきます。
今回は、すでにコンビネーション治療器を導入されている方と、これから導入を検討される方どちらにもメリット、デメリットが理解できるような記事となっております。
是非今一度、コンビネーション治療について、一緒に考えてみましょう。
はい。あります。
断言できます。
これは完全に知識不足を助長してしまうからこそ起こる、害悪です。
ハッキリ言って、理解度が高ければ害悪なんて無く、ものすごいメリットしか無いのがコンビネーション治療です。
害悪は、その理解度が足りないから起こる害悪であり
機器は全く悪くありません。
それだけ、念を押しておきます。
メーカー批判の記事でもありませんし、コンビネーション治療を否定する記事でもありません。
これは、より一層、コンビネーション治療を行う上で
✓患者さんにも
✓施術者にも
✓メーカーや販売店さんにも
メリットが大きくなる、理解度が高まる記事です。
✓コンビネーション治療器を詳しく知りたい方
✓治療器の販売台数を2倍に増やしたいメーカーや販売店の方
✓コンビネーション治療器の害悪というタイトルが気になる方
✓患者さんに自身を持ってコンビネーション治療を行いたい施術者
✓コンビネーション治療器をすでに導入済みで、理解度を更に深めたい方
とにかく、コンビネーション機器について詳しく知りたい、治療器をもっと深く知りたいという方も是非お読み下さい!
コンビネーション治療器って、2つのエネルギーが一度に出力されるので、いいとこ取りなような気がしますよね?でも、完璧な手法なんて存在しません。
ということで、僕なりに考えたメリット・デメリットを一覧で記載します。
メーカーや業者さんはいいところは説明してくれるので、とりあえずその辺りの理解はある程度できていると思います。
しかし、よーーーく考えると
「あ、それもメリットだな」
と思える事があるかもしれませんので、もう一度考えてみましょう。
考えられるメリット
・即効性
・時短
・満足感
・再現性の高さ
・コストパフォーマンス
・コンパクト
・自費施術
メリットに関してはやはり、即効性や時短などが挙げられるかと思います。また、多種のエネルギーを一度に出力するため、患者満足度も高くなります。そして、ある程度施術をパターン化しても、効果が出る確率が上がるという部分も、再現性の高さとしてメリットになるでしょう。
機器に関しても、複数台購入するよりも、1台で済めばコストも少なく済みますし、場所も取りません。
また、他院と比較しても差別化できる可能性も高くなります。
後ほど、この項目を細分化してより深く考えていきます。
・依存
・管理不足
・メニュー化による弊害
・思考停止
・複数人使用
・リスク管理
デメリットを挙げたのですが、これだけだと、いまいちピンと来ないと思います。よって、メリットの解説の後、デメリットについてご説明します。
コンビネーション治療器で一番のメリットはなんと言っても即効性です。
それはそうです。1度に2つ以上のエネルギーを出力できるのですから、施術時間が1/2になってもおかしくありません。
ケーススタディ「テニス肘の場合」
例えば、外側上顆炎の施術を、コンビネーション治療器で行う場合に、様々な手法での治療が考えられます。
▶低周波 →疼痛軽減、筋緊張緩和
▶干渉波 →疼痛軽減、筋緊張緩和
▶超音波 →組織修復を促す
▶ハイボルテージ →疼痛抑制or筋緊張緩和
▶微弱電流 →組織修復を促す、腫脹軽減
▶ラジオ波 →筋緊張緩和、温熱により組織編成を促す
▶衝撃波 →患部の疼痛コントロール
表現が曖昧かもしれませんが、それぞれの役割の大雑把なイメージです。詳細は過去記事を参照ください。
一応、症状のおさらいをしておきましょう。
原因
前腕伸筋群への過度な負担が原因で、橈側手根伸筋起始部に微小断裂を生じさせ、スポーツや手作業の継続によって修復過程が不完全となり亜急性の機能障害が引き起こされたものである[1]。
バックハンドストロークでボールを正確に捉えられず手首の力で対抗すると、手関節の伸筋やその付着部位に負担がかかる。その結果、筋の変性や骨膜の炎症などが発生する。近年では、パソコンのキーボード、マウスやスマートフォンなどが普及し、多くの人が手首を酷使するようになったため、誰もがかかる病気となっている[3]。
10歳から70歳代までの幅広い年齢層に出現するが、40歳代に最も多くみられる症状である[1]。
症状
肘部外側の疼痛・圧痛・熱感、上腕部から手にかけての放散痛、手関節などの脱力感、手関節の他動的伸展による疼痛の誘発・増強が主症状である[1]。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%8B%E3%82%B9%E8%82%98
このような情報を貼り付けるまでもないと思いますが、学生さんも読まれているリアル物理療法マガジンなので、ご了承ください。
一応、一般的に言われている外側上顆炎での症状に対しての処置は
①患部の炎症を抑える
②原因となる筋の張力を抑える
というイメージかと思います。
そのため、患部に超音波治療で組織修復を促し、橈側手根伸筋にハイボルテージや電流療法を行い、筋緊張緩和を図る。という手法が一般的です。
これは非常に理にかなったアプローチと言えます。組織修復を促しつつ、ハイボルテージの電流を流すことにより、疼痛抑制も可能になる。一石二鳥ですね!
だから、腱鞘炎や外側上顆炎などではコンビネーション治療器は多用されていると思います。他の症状でも、基本的には考え方は同じです。
2つ以上の箇所に同時に刺激が入れられるということは、別々の機械でいちいち切り替えてアプローチをしなくてよいということになります。
ということは結果的に
トータルの施術時間が短くなります
病院や整骨院で、1人あたりの患者さんにかかる施術時間には限りがありますので、短時間で効率よく刺激を入れることが出来るコンビネーション治療器は非常に重宝します。
患部に照射、はい、じゃあ次は筋肉にアプローチしますねー。
と、倍の時間がかかっていたものが、1度に済むのですから…こんな便利なことはありません。
コンビネーション治療器でよく行われるのは、
超音波治療器+電流治療
です。
で、超音波治療については、ほとんど刺激感がありません。
ということで、ちゃんと説明しないと患者さんが納得しません。
「なにこれ?今なんかやってるの?」
「え?何も刺激がないんだけど?」
「終わったけど変化を感じない…一体何をされていたの?」
ということで、患者さんは基本的には手を加えてもらう事で、満足感を得る事が多いです。
全く刺激がない超音波治療はその場でよっぽどの効果を感じなければ、患者さんは満足しません。
しかし、コンビネーション治療器で電流療法+超音波治療という形を取れば、超音波のヘッドからも刺激が出ます。
これにより、患者さんは治療感を得る事ができ、満足感を感じる事ができます。
何も感じないよりは、何か感じたほうが、やられている気がしますよね?
本来は必要のない刺激だとしても、患者さんを納得させる意味で、こういう刺激は、ある程度あって良いのかもしれません。
もう、メリットといえば1台で複数エネルギーの出力ができるんですから、2台買わなくて良いんですよw
そんなの、メリットでしか無いじゃないですか。
狭い院ほど、コンビネーション治療器は効果を発揮します。機械だらけになりたくない院は、コンビネーション治療器がアレば解決できますよね。
余計なコストもかからなくなります。
1度で2つのエネルギーが出力できるということは、様々な効果を1度に発揮できます。
ということは、誰がその施術を行ってもある程度の結果が出る確率が高くなります。
症状の改善率が高くなる
つまり
誰でもその施術効果に対して再現出来るようになる
という確率が上がります。
全く同じとは言えませんが、同じぐらいの状況に持っていくことは出来る確率が高くなるということです。
言い方が難しいので、乱暴な言い方で表現します。
よくわかってない下手くそでも治せる
ということです。笑
言い方がきつくてすみません…
何が言いたいのかというと、先程のテニス肘の症例でイメージしてみましょう。
1.組織損傷が大きすぎるため、組織修復を早めることに重点を置く
2.筋肉の緊張が強く(あるいは変性による張力低下)、筋肉に対するアプローチを優先する
他にも色々考えられることは山程あるのですが、例えばこの2つのイメージだけ理解できたとしましょう。
この場合、どちらを優先すべきかわからない人であっても、コンビネーション治療器の場合はどっちも一緒にアプローチをするので、結果的にこの辺りが理解できていなくても治ってしまう可能性が高いです。
言うなれば、誰でも型にはめてしまえば、効果が出る確率が上がる。それがコンビネーション治療器です。
感のいい読者の方はお気づきかと思いますが、この辺りが「害悪」につながってくるポイントです。
メリットとして見ていたことは、ときにそのままデメリットとして解釈できるのです…
この辺りを、盲目にならないように一緒に考えていきましょう。
以上のことを踏まえた上で考えられるメリットとしては、自費施術でしょうか。これは患者さんのメリットなのか、術者側のメリットなのかはよくわかりませんが…。
基本的には患者さんが満足できる施術ができて、即効性があり、再現性(痛めても治る?確率が高い)施術であれば、お金はきっと払ってくれますよね。
他院で効果を感じなかった患者さんが、はじめてコンビネーション治療を受けたことにより、効果を感じたのであれば、自費だって払ってくれます。(はずです)
このあたりの提供の仕方は物理療法マガジンでやることなのかどうなのかは、よくわからないので割愛しますw
でも、この記事を読んだ上で患者さんに正しく提供できれば、コンビネーション治療を行うことで自費施術に自身が持てるようにはなるはずです。
ということで、メリットのまとめです。
即効性
1度に多種のエネルギーを同時出力することで、様々な効果を発揮。症状改善のスピードを上げる事ができる
時短
分けて出力していたエネルギーを、1度に出力するため、時間の節約になる。
満足感
刺激がない施術でも、電流療法を加えることで、患者さん自身も治療感を得ることができ、患者満足度が上がる
1台2役
機器を複数台購入せずに済むため、コスト的にもスペース的にも省エネで済む。
再現性
症状の理解度が低くても、一度に様々な効果を得ることが出来るため、施術スタッフの違いによる効果の出方の差が少なくなる。
自費施術
即効性が出て満足度が高くなるため、患者さんも効果を感じるので自費施術を勧めやすくなる
といったところでしょうか。
ここまでの内容を読むと、メリットしか無いように思いますよね?基本的にはメリットだらけなんです。コンビネーション治療は。
しかしながら、このメリットが大きすぎるため、見えなくなってしまう部分が多く出てきます。
それが結果的に、患者さんに対して害悪になる事象なのです。
ここからは、デメリットを深堀りしながらその辺りを考えていきます。
コンビネーション治療は効果が高いです。
故に、依存性が高いのです。
この依存性に関しては2つの立場から考える必要があります。
1.患者さんの立場
2.術者の立場
それぞれの立場から考える、依存について考察します。
1.患者さんの立場
患者さんの立場から言うと、痛みや悩みに対して即効性があるのは非常にメリットです。しかしながら、
即効性がある=痛みが出てもあそこに行けば良い
という形でイメージが定着してしまいます。
これは、良いように見えて、結構怖い事象です。
即効性がある施術を受けることで、患者さんが考える時間を奪うことになります。そのため、
なぜ痛みが出たのか?
何が原因だったのか?
どうして怪我をしたのか?
を全く考えなくなってしまうことが多いです。
これはあるあるネタですが
「困ったときは先生におまかせ♫」
というスタンスの患者さんって多くないですか?
これって、悪い意味でのリピーターですよね?
確かに、本人がそれで良いと言うのであれば、それまでなのですが、繰り返し怪我や痛みを抱えてしまう状況を作るのは、本来の姿ではないと僕は思います。
基本的には患者さん自身が、その症状に対して向き合って、原因を追求して理解して、再発しない環境づくりを手伝ってあげる。
というのが理想の形だと思います。
「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」
という先生がいらっしゃるかもしれません。
「すぐに治っちゃったら患者さんが来なくなってしまうじゃないか」
ということを平気で言う先生も、実際居ます。正直、悲しいですが…
確かに、患者さん自身は
「痛みが無くなればそれで良い」
「とにかく痛みだけどうにかしてほしい」
という人が多いのは事実。
でも、痛みというのは本来、その症状に対して向き合うきっかけでもあります。それを、即座に止めてしまうと、考える時間を与える暇がなくなります。
そして、そのまま思考が停止してしまうため、
「再発防止するためには、こうすれば良いんだ!」
なんて、考える患者さんはごくごく少数です。
即効性があるというのは、非常に良いイメージではありますが、その分、考える時間を奪う行為にもなることはよく考えて施術していきましょう。
2.術者の立場
これと同時に、
即効性がある施術=術者の思考時間を奪う
ということも言えます。
「痛みが治まれば何でも良いんだ」
「エビデンスなんてどうでもいいから治ればいい」
「患者は痛くなったらまた来てもらえばいい」
このような思考を生み出してしまうことも非常に多いです。
実際に、多くの先生方とお話をさせて頂き、よく言われるのが
「なんだかわからないけどコンビネーション治療のほうが効くよね〜」
というお言葉です。
僕から言わせてもらえば
「はぁ?」
です。笑
※辛口ですみません。
でも、実際に多いんですよ…考えていない先生方は…
何処で、何が起きて、どうなったから改善しているのか
を、自分の中で整理しないで患者さんに提供する。
確かに、確率的には効果が高くなるのがコンビネーション治療です。しかし、それに頼りすぎて、何が一番効果を発揮したのか?が全く理解できなくなっている先生は非常に多い印象です。
僕の場合ですが、今現在勤務している整骨院にコンビネーション治療器はありません。
でも、なんとかなっています。
これは、その時に最適(と思わえる)エネルギーの選択をしっかりと行い、患者さんにも理解してもらいながら施術を提供しています。(コンビネーション治療器はあったほうが便利なのですが…)無くてもなんとかなりますし、そのほうがメリットも大きくなる場合もあります。
目の前の困った人に対して、良い施術を提供する。非常に良いと思います。
しかし、本当にそれは患者さんのため、自分の為になっているのか?を一度考えてみましょう。
なんか、麻薬みたいな言い方ですね…w
しかし、高性能な治療器がある治療院では、こういった事象がよく起こるんです。どういうことか?
今、勤務している治療院でコンビネーション治療器を当たり前のように使っていませんか?
その場合、そのコンビネーション治療器で何が起こっているのか、理解していますか?
もしも、あなたが転職して、異なる職場に行った際に、コンビネーション治療器が無かったらどうしますか???
同じクオリティの施術ができますか?
という話です。
実際に、高性能な治療器がどの院でもおいてあるなんてありえません。
コスパは良いかもしれませんが、コンビネーション治療器は高価です。そのため、どの院でも導入されているとは言えない現状です。
こういった場合に
「なんだよこの治療院はコンビネーション治療器が無いのかよ〜。◯◯の症状の患者さんに対応できないじゃん〜…」
と、嘆く自体にもなりかねません。
治療器が無い=施術ができない
というのは、おかしくないですか?
おかしいというのは、表現が間違っているかもしれませんが、基本的にはモノがなくとも対応できる状況を作っておかなければなりませんよね。
物があったほうが良いけど、無い状況も考えて準備をしておく。
できないものに関しては無理に手を出さない勇気を持つ。これも施術者としては大切な心構えになります。
(最近は何でも、人のせいにしてしまう風潮がありますので…香水とか……ん?)
copy
物療機器がない状況でも、何が出来るかできないのかを、頭の中で常に整理しておきましょう。
これに関しても患者、術者の立場で少し異なってきます。
例えば、怪我をしてそれに対する処置を行う。
疼痛抑制や軽減がその場で起こった場合、患者さんはすぐに
「治った」
と錯覚します。
症状によっては、その場で変化が出て、痛みが戻ったりしない場合も多くありますが、全てそういう状況とは言えません。
患者さんの反応で
「うわー!先生すごい!治っちゃいましたよ!」
と言われて、こちらもその情報に惑わされること無く、しっかりと判断できる心構えをしておくべきです。
「あれ?痛み取れちゃった…思ったよりも軽症だったのかな?固定は軽めで良いかな〜」
という判断になってしまい、結果、その後症状が悪化してしまう例も起こりえます。
超音波+ハイボルテージなどは、疼痛抑制を行いつつ、温熱も入るし、組織修復力向上にも影響がありますので、短時間で効果が出ることもあります。
痛みが取れた=軽症
痛みが取れた=治った
という、痛みだけでの判断は少し危険です。
患者さんの反応が良ければ良いほど、疑うべきです。自分を。
✔本当に症状は収まっているのか?それは継続性のあるものなのか?
✔患者さんがその後、どういう行動をするのか推測ができているのか?
✔疼痛軽減して患者さんが満足しているが、今は固定しなくて良い状況なのか?
✔その場で痛みが取れていても、何度も通院している場合はどのようなことが考えられるのか?
この辺りはやはり考えるべきです。
「コンビネーション治療器は効くけど、すぐ戻っちゃうんだよね〜」
という意見が出てしまうのは、この管理が十分にできていない可能性が高いと思います。
目先の効果よりも、将来どうなっているのか?を患者さんにもイメージしてもらい、術者も注意して盲目にならないようにしましょう。
コンビネーション治療は比較的短時間で効果が出る確率も高くなります。それ故、患者が満足して繰り返しその施術を望むようになります。
院の運営としては良いのかもしれませんが、これをメニュー化することで、コンビネーション治療が不要な患者にもこれを提供することにもなりかねません。
正直、そんなにこだわってこの部分を説明する必要もないのですが、僕個人的には、無駄にエネルギーを体内に入れる必要はないと考えています。
そんなに、アレもコレもやらなくても治るものは治ります。
余計なことはしなくても良いんです。
ですが、物療機器が増えてくれば使いたくなる。提供したくなる。
その欲求が出てくるのは、仕方ないことなのかもしれません。
ですが、薬も同じで、使いすぎると効かなくなりますよね?(なんとなくですが…)物理療法も同じで、同じ刺激をずーーーっと与えていても、変化が出なくなる(出にくくなる)事は十分ありえます。
そのため、即効性があり、効果が高いとは言え、メニュー化してしまうと、
「今日は特盛♫」
という形で、意味もなくコンビネーション治療を求める患者さんも増えてきます。
「患者が求めているんだからそれでいいだろ」
という先生もいます。別に悪いことをしているわけではないので構いません。
しかし、結局それがずっと続くと、
「なんかこのメニューで施術してもちっとも効かない」
と言われる日も来るはずです。
いつまで経っても強めにハイボルテージを当てている先生などは、そういう患者さんもいませんか?
はい。ドンドンいきましょう。
コンビネーション治療。当てりゃ結果が出やすいです。
ということは、何も考えなくても効果が出てしまうことが多いです。
故に、考えなくなります。
以上です。笑
それでは、話になりませんね。もう少し、考えてみましょう。
電流の効果なのか、超音波の効果なのか
コンビネーション治療器は同時に2つのエネルギーが出力されます。コレにより、別の作用で患部に様々な効果を働きかけます。ということは、どっちのエネルギーによって変化が出たのかが全くわかりません。
全くというのは言いすぎかもしれませんが、わかりづらくなります。
ということは、単体で使用した際に、効果を得ることができにくくなる人が増えてくるのです。
それぞれの特性を中途半端に理解している
あるいは、全く理解しないでも効果が出てしまう可能性もあります。w
そのため、単体使用で使う際に非常に下手くそになる可能性があります。
現在販売されている超音波治療器は、かなり性能が良いです。ほぼ固定照射に近い状態でも使用することができます。
しかし、コンビネーション治療で使用する際には電流も流れているので、かなりプローブを大きく動かして施術するパターンが非常に多いと思われます。
ということは、超音波の特性は、ほぼ無視した状態になっている可能性があります。
いくら、超音波が出ているとは言え、ストロークが早い場合はあまり効果が出ません。
たとえ、短時間でも集中的に照射すると、比較的効果は高いです。
電流で効果が出ているのか、超音波で効果が出ているのか。
コンビネーション治療を行う際には、その判断もしっかりとできるように準備しておきましょう。
わからなければ、まずは単体で使用することをオススメします。その方が、状況変化は読み取りやすいです。
これはデメリットです。
1台で何でも出来るのがメリット何じゃないの?と思うかもしれませんが、人数が多く来院する院では、このコンビネーション治療を行うことで、機器が複数人で使用できなくなるデメリットも考慮する必要があります。
組み合わせコンビネーション治療きもそうですし、1台で複数のエネルギーが出力できるモデルも同じです。
機器が空かないので、施術にすぐ入れない。
そういう事も起こりえます。
1人治療院だったら、問題ないでしょうけどね。
故障時のリスク
めったに無いですが、故障した時に、複合機の場合はその機器自体が使えなくなる可能性もあります。その際に、患者さんが来院した時に
「すみません。今日は治療器使えないんで施術ができません…」
という自体にもなりかねません。これは複合機の場合に特に起こるであろうケースです。
組み合わせ治療器の場合は、そういったリスク回避ができます。
「すみません、今日は超音波が故障で使えないので、電流治療メインで施術しますね」
と、とりえあえずいつもとは異なるけど、近いことは出来る。といったリスク回避ができます。
機器導入の際にはその辺りも考慮すると良いかもしれませんね。
※故障してもすぐに代替機を持ってきてくれるメーカーならそんな心配はふようですけどね。
この辺りも難しくなってきます。患者さんに悪い反応が出た際に、どっちのエネルギーによる反応なのか?がわからなくなります。
たとえば首に対して超音波+ハイボルテージのコンビネーション治療を行った場合に、患者さんが急に気分が悪くなったとしましょう。
この際、どっちの作用によるものかって、すぐに判断できますか?
エネルギーの種類が増えれば、様々な反応が出ます。この際に、何によって反応が出たのか?をすぐに理解できる体制を整えておかなかなければ、患者さんに不利益になってしまいますよね?
恐怖心を抱かせてしまう自体にもなりかねません。
コンビネーション治療は非常に効果は高いですが、その分、やっていることは複雑になってきます。
そのため、なにかが起こった際に、判断できるのか?は
やはり基礎や禁忌をしっかりと学んでおくべきなんですよね。
「首は危ない!!!」
なんで?
これが答えられるのか、経験しているのか?は非常に大きいです。
今回の最大のポイントは、結局は患者さんに良くない事が起こる可能性もあるということ。なんでもそうです。薬だって、使いすぎたり、当たり前に使うようになってくると、様々な副作用が出てきたりも考えられます。
①依存
②刺激量過多
この2点が非常に重要であります。
①依存
無駄にその刺激感が欲しくなり、それをやらなければ気がすまなくなる状況。この状況になってしまうと、沼にハマってしまい…
そのうち、変化を感じなくなり
「治らないじゃないか!」「なんだか、前より変化を感じない」
と、徐々に不満を募らせるパターンになってしまいます。
いかに、依存させないようにするのか。患者さんの治癒までのスケジュールをしっかりとイメージしておきましょう。
②刺激量過多
刺激がドンドン増えていきます。最終的にはそれが依存につながってしまいます。刺激量が増えてきた段階で、その人へは他の手段を考えておいたほうが良いでしょう。
基本的には刺激に慣れてしまうと、治療効果は得ることはできません。
その場の、やった感だけです。これはなんの意味もありません。
刺激量が増えすぎる、増えてきたタイミングで他の手法を考えておきましょう。
この点は、十分に注意しましょう。
で、結局色々考えなければならないことは山積みなんですが、それでもコンビネーション治療は優秀です。
まさに、飴と鞭。雨と無知(意味不明)
結局、コンビネーション治療は優秀なのには変わりありません。
しかし、そのコンビネーション治療に頼りっきりで、考えることを辞めてしまっては、進歩がありません。
まずは1つ1つの治療器を使えるようになるべきです。
いきなりコンビネーション治療を行い、わかった気でいると、いつか治療器を使用している意味すら忘れてしまいます。
患者さんとしては
今すぐに痛みをとってもらいたい。
という願望もあるのは事実です。
しかし、その痛みが発生した要因や、回避するための知識など。その点を理解してもらうまでには時間はかかるものです。
よって、いきなり痛みを取る。正しく言えば抑えてしまう事により、患者さんが考える時間を奪うことにも繋がりかねません。
ここまで長かったですね…笑
ここまで読んでいただいた方への、ささやかなプレゼントをそっとおいておきます😌
さて、おまけしか興味がない方もたくさんいらっしゃると思いますので、ここからは僕なりのおまけコンテンツです。
裏メインという事も言えるかもしれませんねw
基本的にはここはなぐり書きです。(全部そうかも…w)
ただ、ヒントは多く散りばめられていると思いますので、是非拾ってやって下さいw
では参りましょう。
元祖?超格安コンビネーション治療器
コンビネーション治療の概念?としては、ちょっと外れるかもしれませんが、こういう使い方も一種のコンビネーション治療ですよね。
このようなアイデアを駆使すれば、コンビネーション治療は一気にいろんなパターンが登場しますが…。
危険なものもあるので注意して行いましょう。
こんな事もできるぞ!?コンビネーション治療のアレコレ
結局、どんなコンビネーションができるのか?というと
・電流・超音波・光線・振動・ラジオ波・温熱・冷却・牽引
まぁ、やろうと思えば何でもできますが…w
電流+光
などは比較的取り入れられていますね。光のエネルギーはまだまだ理解できない部分も多く含まれていますので、電流療法との組み合わせで使用するのは非常に効果的でしょう。
振動に関しては、マッサージガンなどの振動刺激ですね。衝撃波は後で書きますが、辞めておいたほうがいいでしょうw
牽引はあまりやらない先生も多いと思いますが、温熱+牽引、微弱電流+牽引などは、できますからね。※刺激量は注意して行いましょう。
あとは、あまり意味はないかもしれませんが、冷却+微弱などもよく取り入れられています。僕としては、通電してから冷却でいいと思っていますが、通電した後、冷却+微弱という流れが良いのではないでしょうか?
様々な組み合わせがあります。
しかし、僕はこの中でも微弱+マッサージガンは非常に有効だと思いました。
絶対やっちゃだめなコンビネーション
確実に言えることは、直流電流治療+他の電流治療ですね。
世の中には交流電流で動く機器と、直流電流で動く機器があります。
その2つを同時に出力した場合、どちらかの機器が壊れてしまう可能性があります。
基本的には交流+交流であれば、よっぽどのことがない限りは壊れることは無いと思いますが…
直流電流治療器+直流電流治療器
直流電流治療器+交流電流治療器
の組み合わせはオススメしません。と言うか、やってもそんなに意味はないでしょうし、お互いの特性を活かせない可能性も高いです。
そして、機器が壊れる可能性が高いので…ちょっと…ね。
そして、衝撃波と他の機器も辞めたほうがいいでしょうね。
なんて言ったって、組織を破壊するエネルギーですからw それは、単独で使用することをオススメします。機器も高いですし…壊れても…ねぇ?w
最後までお読みいただき、ありがとうございました!